危機管理の第一人者?佐々淳行氏の本は疑問だらけ。

戦国武将佐々成政直系の子孫が「危機管理」と叫べば講演などで2億円を稼ぎ出す御仁である。本人が危機管理のスペシャリストと自認するのは、警察庁入省後、浅間山荘事件、東大安田行動事件、ドバイ、シンガポールなどのハイジャックを捜査・指揮したという経歴をひけらかしては、其れを題材に本にしている。「東大落城」では、警察庁次長の後藤田正晴氏を長官として書き特進させている。事件終了後機動隊の弁当代が支給されないのを嘆いた佐々淳行氏が自腹で払ったという嘘を書いてしまう。本当の長官だった新井裕氏は「あれは、佐々君を主人公にした小説で面白く書きすぎて歪曲している」と週刊誌で語っている。周囲も反発・反論が予想以上だったことは、けっこう知られていない。しかし本人は黙りを決めつけ「あさま山荘事件」を書く。これが酷いしろもので、身内の長野県警から「後生に誤った事実が伝わる」と当時の責任者の名前で実録書を出版。もっと凄いのが、自分の立場も嘘を書いている。佐々氏は後藤田正晴長官に「FBI式警備指導官」として事件を解決したと自画自賛する。しかし現実は、特別幕僚として本部を助言するだけ」これを指揮したと言われてもと、長野県警はいう。事実を元にしたフィクションなのだ。先祖の佐々成政は、肥後の失政で切腹させられる。辞世の句「この頃の 厄妄想を 入れ置きし 鉄鉢袋 今破るなり」なんか、意味深である。